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空き家の管理でトラブルを防ぐには何が必要?対策のポイントや支援策も紹介

空き家

髙橋 正浩

筆者 髙橋 正浩

不動産キャリア13年

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昨今、空き家の管理でお悩みの方が増えています。空き家をそのままにしておくと、倒壊や害虫発生、不法侵入など思わぬトラブルが発生することがあります。また、法律上の対応や税金の負担増といった問題も無関係ではありません。この記事では、空き家の管理で直面しやすいさまざまなトラブルと、その対策方法について分かりやすく解説します。管理の基本から行政制度、専門サービスの活用までしっかりお伝えします。空き家の適切な管理に役立つ情報を知り、安心を手に入れましょう。

なぜ空き家管理が重要なのか 空き家管理に悩んでいる方へ

空き家を放置すると、倒壊や屋根・外壁の落下などによる周囲への損害のほか、ねずみや害虫の大量発生、不法侵入による治安悪化など、衛生面や防犯面で深刻なトラブルを招くおそれがあります。また、腐敗したごみの悪臭や景観の悪化も地域住民に負担を強いる要因になります。

さらに、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、放置によって危険性や衛生・環境への悪影響が認められる空き家は「特定空き家」に指定される可能性があります。指定された場合、自治体による助言や勧告があり、改善されない場合には固定資産税の軽減措置が受けられなくなるなど、所有者にとって大きな負担が生じます。

さらに令和5年(2023年)の改正により、特定空き家に至る前段階の「管理不全空き家」も指定対象となり、一定の管理がされていない空き家にも行政からの指導が入るようになりました。

管理を怠ることで、固定資産税や都市計画税の軽減措置が外れ、税負担が最大で約4倍に跳ね上がるケースもあります。

適切な管理を行うことで、近隣とのトラブルを回避できるだけでなく、行政対応や税負担の悪化を未然に防ぎ、所有者の負担を軽減することにもつながります。

リスクの種類 具体的な内容
物理的リスク 倒壊・部材落下・近隣への被害
衛生・環境リスク 害虫の発生・悪臭・景観悪化
行政・税制リスク 特定空き家・管理不全空き家の指定、固定資産税軽減の喪失

自分でできる空き家管理の基本対策

空き家を良好な状態で維持するために、ご自身で取り組める基本的な対策を具体的にご紹介します。

項目内容目安頻度
換気・通水・清掃窓や扉を全開にして室内の換気を行い、湿気やカビを防ぎます。全ての蛇口から水を数分間流し、排水トラップに水を溜めて下水臭や虫の侵入を防ぎます。室内の簡易清掃でホコリや汚れを取り除き、建材の劣化を緩和します。月1回程度がおすすめです
庭木・雑草処理庭の雑草や落ち葉の除去、庭木の剪定を行い、害虫の発生や近隣とのトラブル(枝の越境など)を予防します。雑草は季節によっては月1回程度、庭木は数か月に一度
ご近所との関係維持近隣住民や自治会との日常的な連絡・挨拶により、防犯や見守りの協力関係を築き、不審者の侵入リスクを抑え安心感を高めます。適宜、定期的に声をかけるとよいでしょう

まず、空き家の管理において重要なのは「月に一度以上」のペースでの訪問です。一度に換気・通水・清掃をまとめて行うことで、湿気や下水の逆流、カビの発生などの初期トラブルを未然に防げます。特に木材の腐敗防止や配管トラップの維持には効果的です。換気は窓や押入れ、靴箱などの扉も忘れず開け、通水はキッチンやトイレなどの蛇口から1~3分程度流すのが一般的な目安です。これらは建材の劣化や害虫の侵入リスクを大幅に減らす対策として推奨されています。

外回りの整理としては、庭の草や枝の伸びすぎに注意することが必要です。雑草や庭木が伸びると害虫の繁殖を促し、枝の越境は近隣トラブルの原因にもなりかねません。季節に応じて草取りを月1回程度行い、庭木の剪定や消毒も適宜行うと安心です。

最後に、防犯と安心感を高めるためにも、近隣住民や自治会との関係を大切にしましょう。例えば、地域の「見守り隊」活動への協力や日常的な挨拶により、空き家の状況を把握してもらいやすくなります。これにより、不法侵入やいたずらへの抑止効果が期待でき、所有する空き家を地域全体で見守ってもらえる体制が築けます。

行政制度を活用したトラブル予防と管理支援

令和5年(2023年)に施行された法改正により、これまで「特定空家」と認定されてからしか行政対応ができなかったところが、放置によって「特定空家」となり得る段階の「管理不全空家」に対しても、市区町村が指導・勧告をおこなえるようになりました。この段階での対応により、重大トラブルに至る前に防止することが可能になりました。また、固定資産税の住宅用地特例(小規模住宅用地は課税標準が6分の1、一般住宅用地は3分の1に軽減)についても、勧告を受けた「管理不全空家」には適用されず、税負担軽減のメリットが失われます。これにより所有者に早期対応を促す効果も期待できます。

さらに、市区町村は空き家の活用を促進するために、積極的に関わる民間のNPO法人や社団法人などを「空家等管理活用支援法人」として指定できます。この法人は、所有者の相談対応、活用希望者とのマッチング、管理方法の助言などをおこない、地域の専門性を活かして行政の負担軽減にも貢献します。

また、「空家等活用促進区域」を市区町村が指定することで、区域内の空き家について用途変更や建替えなどの柔軟な対応を可能にします。たとえば、接道規制や用途制限の合理化などを進めることで、空き家の利活用を後押しする仕組みです。

さらに、空き家除却や解体に対する補助金制度も自治体で充実しています。たとえば、木造住宅40坪程度の解体でおおよそ200万円の費用がかかる中、解体費用の一部を自治体が30万円から100万円程度補助するケースが多く見られます。補助率はおおむね3分の1から2分の1の割合で設定されており、所有者にとって非常に助けとなる制度です。

制度・支援制度名内容メリット
管理不全空家制度特定空家になる前に行政の指導・勧告を受けるトラブルを未然に防ぎやすい
空家等管理活用支援法人自治体が指定する支援法人による相談・マッチング支援地域に根ざした支援が受けられる
除却・解体補助金木造住宅の解体費用の一部を自治体が補助(30~100万円程度)自己負担を大幅に削減できる

これらの行政制度を活用することで、空き家の管理に関するトラブルを事前に防ぎ、所有者の負担を軽減しながら安心して適切な対処を進めることができます。

専門サービスの活用で安心・確実な管理を実現

空き家を安全かつ適切に管理するためには、自ら対応できない分野を専門の管理サービスに委ねることが効果的です。

サービス内容主な特徴期待される効果
巡回管理サービス専門家による月1回以上の現地点検、通水・換気・清掃など建物劣化の予防、資産価値の維持
管理看板の設置「管理者がいる」旨の看板を設置し周囲に知らせる犯罪抑止、近隣からの信頼獲得
家族信託・成年後見制度との連携所有目的に応じて信託契約や後見制度を組み合わせる出口戦略としての柔軟かつ安心な管理体制の構築

まず、巡回管理サービスでは、不動産の専門家が定期的に物件を訪問し、気づきにくい劣化や設備不具合を把握して報告してくれます。さらに、通水や換気の実施により、湿気や配管損傷の予防につながり、資産価値を守る効果が期待できます。 

このようなサービスは、建物内部だけでなく外観や設備に関するトラブルも早期に発見できる点が大きな利点です。特に遠方にお住まいの所有者様にとっては、自ら管理しきれない手間を削減でき、安心感が得られます。

次に、管理看板の設置によって「ここには管理者が責任を持っている」ことを周囲に明示できます。これにより、不法侵入や放火、ゴミの投棄といった犯罪抑止につながり、近隣住民からの信頼も高まります。実際、月額数百円程度のプランで看板設置を含む管理を提供するサービスもあります。

最後に、将来的な出口戦略として、家族信託や成年後見制度と連携する方法があります。家族信託では、生前に所有者の意向を反映した上で信頼できる受託者に管理を任せる契約を結べます。これにより、所有者が判断能力を失った場合でも、信頼できる人によって管理・処分が可能になります。一方、成年後見制度は判断能力が不十分な方を法的に支援する制度であり、空き家の管理も継続でき安心です。

これらの制度を組み合わせることで、「単に点検を依頼する」のではなく、所有者様の意向に即した安心・確実な管理体制を構築することが可能となります。

まとめ

空き家の管理は、放置により発生するさまざまなトラブルや、周囲への悪影響を未然に防ぐために極めて重要です。本記事では、日常的に行える基本的な対策から、行政制度や補助金の活用、さらには専門会社による管理の有効性まで幅広く解説しました。どなたでも無理なく実践できる方法や、専門サービスを頼ることで抱える不安を解消できる点もご紹介しました。大切な資産と地域環境を守る第一歩として、ぜひ今日から行動を始めてください。

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